心臓の働きや全身の血管の評価、血液の流れを診療する科目です。
生活習慣病(高血圧症、脂質異常症:高脂血症、糖尿病)は、動脈硬化など血管の状態を悪化させる原因となりますので、生活習慣の見直しから治療を行っております。
循環器内科を受診する多くの方が治療を受け、通院している疾患です。
薬を飲んでいれば良いというわけではなく、高血圧による全身への影響と動脈硬化の状況をしっかり評価しながら
経過を見ることがとても大事です。
高血圧は、全身の血管・臓器に影響を与えます。
特に、65歳以上の高齢者・男性・喫煙歴のある方・ほかの生活習慣病をお持ちの方・肥満症の方などは、
高血圧症による臓器障害を起こすリスクが高いため、注意が必要です。
高血圧症は非常に身近で、罹患率も高い病気です。自覚症状も少なく安易に考えがちですが、
脳・心臓・血管のいずれにも大きな影響を引き起こす疾患であり、しっかりとした治療と管理が重要です。
血圧は、ストレスや睡眠不足、塩分のとり過ぎ、飲酒の他、気温の変化など様々な要因で上下します。夏にかけて気温が上がる時期は、血圧が低下しやすい傾向にあります。
血圧が低めの方・高齢者の方
血圧が下がり過ぎて、だるさや立ちくらみ、ふらつきなどの症状が出ることがあります。
失神や転倒につながる場合もありますので、起床時や椅子から立つとき急に立ち上がらないよう気をつけましょう。
血圧が高い方
夏は普段より低めの血圧値が出ますが、安心してはいけません。
この時期は血圧を日常的に測定して数値の変化に気をつけましょう。降圧薬の服用で夏場に血圧が下がりすぎてしまうなど、何かお困りのことがございましたらご相談ください。
不整脈とは、心拍のリズムや回数が一定でない状態をいいます。
心臓は電気的な刺激によって規則正しく収縮・拡張を繰り返していますが、この刺激の伝導に異常をきたすと、
心拍のリズムや回数が一定でなくなり、不整脈が起こります。
脈の異常の感じ方は人によって様々です。
不整脈かもしれないと思われたら、そのときの脈の具合と脈拍数をチェックしておくと、
不整脈の診断に非常に役立ちます。
多くの不整脈は治療を必要としないあるいは生活習慣を改善することでよくなることが多いです。
治療を必要とする不整脈の場合、治療は大きく薬物療法と非薬物療法に分かれます。
薬物療法には、β遮断薬や抗不整脈薬といった不整脈を抑える薬を使ったり、不整脈による脳梗塞予防のために
抗凝固薬を内服することもあります。
非薬物療法には、脈が遅くなる徐脈の治療の一つとして、ペースメーカーがあります。
頻脈性の不整脈、特に最近では心房細動に対してはカテーテルアブレーションが多く行われています。
その他、種々治療法を紹介し、治療可能な施設へ紹介いたします。
心不全とは、心臓がポンプとしての働きを果たせなくなった体の状態をいいます。
血液には酸素と栄養を体の各部位に運ぶ役割があり、心臓は血液を循環させるポンプの機能を持っています。
その機能が低下すると、全身に送り出される血液量が少なくなり、必要な血液循環を確保できなくなります。
虚血性心疾患とは、動脈硬化の進行で冠動脈が狭くなり、心臓への血液の巡りが悪くなって起こる状態をいいます。
一般的に知られている「狭心症」や「心筋梗塞」が含まれます。
内科的治療として薬物療法ならびにカテーテル治療(経皮的冠動脈形成術)があります。
外科的治療として冠動脈バイパス術が挙げられます。
それぞれの症例にあった治療方法をご紹介いたします。
心臓弁膜症とは、心臓弁の機能が正常に働かなくことによって生じる疾患です。
心臓内の左心室と右心室には入口(流入路)と出口(流出路)に、それぞれ逆流を防止するための心臓弁があります。
この心臓弁が動脈硬化や弁の変性などによって開きづらくなり、血液が通過しづらくなる状態を「狭窄」、
また、閉まりづらくなることで血液が逆流する状態を「逆流(閉鎖不全)」といいます。
初期の段階では、日常生活で症状を自覚することはありませんが、階段を上ったり運動をしたりすると、
いつもより疲れやすいことに気がつきます。
やがて進行すると、軽労作であっても息切れ症状や呼吸苦が現れるようになります。
心臓弁膜症は、病状の進行に伴って心臓のポンプ機能が弱っていく疾患であり、重症化する心不全を
引き起こしますので、適切に管理することと適切な時期に治療をすることが重要です。
内服治療やカテーテル治療(バルーン拡張術等)などの内科的治療や、弁置換術や弁形成術などの外科的治療が
挙げられます。
最近では、大動脈弁狭窄症のカテーテル治療として、
TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術:Transcatheter Aortic Valve Implantation)という
カテーテルにより人工弁を植え込む方法も行われています。
また、外科治療でも、僧帽弁疾患では症例により、
MICSMVP(低侵襲僧帽弁形成術:Minimally Invasive Cardiac Surgery Mitral Valvuloplasty)という
右胸の小さな切開口から手術を行う方法も行われるようになっています。
個々の症例により、適切な治療法を選択いたします。