井上医院

埼玉県川越市
循環器内科
心臓血管外科
内科
外科
受付時間 9:00~17:30(木・日・祝除く)

循環器内科

心臓の働きや全身の血管の評価、血液の流れを診療する科目です。
生活習慣病(高血圧症、脂質異常症:高脂血症、糖尿病)は、動脈硬化など血管の状態を悪化させる原因となりますので、生活習慣の見直しから治療を行っております。

高血圧症

循環器内科を受診する多くの方が治療を受け、通院している疾患です。
薬を飲んでいれば良いというわけではなく、高血圧による全身への影響と動脈硬化の状況をしっかり評価しながら
経過を見ることがとても大事です。

高血圧は、全身の血管・臓器に影響を与えます。

  • 脳出血、脳梗塞、一過性脳虚血発作などの脳疾患
  • 狭心症、心筋梗塞、心不全、弁膜症、心筋肥大、不整脈などの心臓疾患
  • 蛋白尿、腎機能低下、慢性腎臓病、血液透析などの腎臓疾患
  • 大動脈瘤や大動脈解離などの大血管疾患
  • 下肢の循環不全、閉塞性動脈硬化症、頸動脈狭窄症、動脈硬化性プラークなどの末梢血管疾患
  • 高血圧性網膜症などの眼疾患

特に、65歳以上の高齢者・男性・喫煙歴のある方・ほかの生活習慣病をお持ちの方・肥満症の方などは、
高血圧症による臓器障害を起こすリスクが高いため、注意が必要です。

高血圧症は非常に身近で、罹患率も高い病気です。自覚症状も少なく安易に考えがちですが、
脳・心臓・血管のいずれにも大きな影響を引き起こす疾患であり、しっかりとした治療と管理が重要です。

コラム:夏の血圧変動に気をつけましょう

血圧は、ストレスや睡眠不足、塩分のとり過ぎ、飲酒の他、気温の変化など様々な要因で上下します。夏にかけて気温が上がる時期は、血圧が低下しやすい傾向にあります。

血圧が低めの方・高齢者の方
血圧が下がり過ぎて、だるさや立ちくらみ、ふらつきなどの症状が出ることがあります。
失神や転倒につながる場合もありますので、起床時や椅子から立つとき急に立ち上がらないよう気をつけましょう。

血圧が高い方
夏は普段より低めの血圧値が出ますが、安心してはいけません。
この時期は血圧を日常的に測定して数値の変化に気をつけましょう。降圧薬の服用で夏場に血圧が下がりすぎてしまうなど、何かお困りのことがございましたらご相談ください。

※以下の血圧変動にご注意ください

熱中症:
熱中症になると急激に血圧が低下するので、非常に危険です。普段の血圧の高低にかかわらず、夏は水分補給等で熱中症の予防を心がけましょう。

暑い屋外から冷房が効いた室内へ移動したとき:
冷房の効きすぎで急に体が冷えると、血管が収縮し、血圧が上昇しやすくなります。
クーラーの設定温度や上着等で冷えすぎないよう調節するなど、注意が必要です。

アルコールの摂取:
一時的には血圧が下がりますが、アルコールが体内から抜けた後リバウンドで血圧がぐっと上昇することがあります。一気に飲みすぎないよう注意したり、休肝日を設けたりなど意識しましょう。

血圧が下がりやすい夏ですが、高血圧の方も油断せず、血圧の急激な変動に気を付けましょう。

不整脈

不整脈とは、心拍のリズムや回数が一定でない状態をいいます。
心臓は電気的な刺激によって規則正しく収縮・拡張を繰り返していますが、この刺激の伝導に異常をきたすと、
心拍のリズムや回数が一定でなくなり、不整脈が起こります。

原因
不整脈の原因として最も多いのは、年齢や遺伝的な背景、生活習慣によるものです。
ストレスや疲労、睡眠不足などでも起こりやすくなります。

一方で、弁膜症や急性心筋梗塞など、心臓病が原因で起きる不整脈もあります。
不整脈と言われたら、背景に心臓病がないかを調べることが重要です。
症状
  • 脈がとぶ(期外収縮):胸の痛み・違和感
  • 脈が遅くなる(徐脈):息切れ、ふらつき、意識が遠のく
  • 脈が速くなる(頻脈):動悸、息苦しさ、めまい

脈の異常の感じ方は人によって様々です。
不整脈かもしれないと思われたら、そのときの脈の具合と脈拍数をチェックしておくと、
不整脈の診断に非常に役立ちます。

検査
不整脈の検査で最も重要なのは、不整脈が起きているときの心電図です。
たまにしか不整脈の発作が起きないというような場合には、24時間装着するホルター心電図で検査します。
心臓超音波検査は、不整脈の原因となるような心臓病の有無を確認するために行います。
当院で使用している装置
  • 超音波診断装置(心エコー)
  • 解析心電図計測装置
  • 24時間心電図計測装置

不整脈の治療

多くの不整脈は治療を必要としないあるいは生活習慣を改善することでよくなることが多いです。
治療を必要とする不整脈の場合、治療は大きく薬物療法と非薬物療法に分かれます。

薬物療法には、β遮断薬や抗不整脈薬といった不整脈を抑える薬を使ったり、不整脈による脳梗塞予防のために
抗凝固薬を内服することもあります。

非薬物療法には、脈が遅くなる徐脈の治療の一つとして、ペースメーカーがあります。
頻脈性の不整脈、特に最近では心房細動に対してはカテーテルアブレーションが多く行われています。

その他、種々治療法を紹介し、治療可能な施設へ紹介いたします。

心不全

心不全とは、心臓がポンプとしての働きを果たせなくなった体の状態をいいます。
血液には酸素と栄養を体の各部位に運ぶ役割があり、心臓は血液を循環させるポンプの機能を持っています。
その機能が低下すると、全身に送り出される血液量が少なくなり、必要な血液循環を確保できなくなります。

原因
心不全の原因は様々あり、以下を代表としたほぼ全ての心臓の病気が最終的に心不全をきたします。
  • 心筋梗塞
  • 弁膜症
  • 心筋症
  • 高血圧
  • 不整脈(徐脈、頻脈)
  • 慢性腎臓病
  • 糖尿病
  • 睡眠時無呼吸症候群
症状
心不全で現れる症状は、原因とそれによる心臓の機能低下の程度によって異なりますので様々です。
  • 肺などの臓器に水がたまり、息切れや呼吸困難を起こす
  • 心臓が大きくなる(心拡大、心肥大)
  • 食欲がなくなる
  • 体全体に水分が溜まって体重が増える
  • 夜間の多尿(重症になると尿量は減少)
  • すねや足の甲あたりがむくむ
  • 倦怠感、疲れやすさ
  • 食欲不振や腹部膨満感
  • 動悸がする、足のむくみ、手足の冷感、意識レベルの低下、倦怠感、呼吸困難 等
検査
心不全は様々な疾患が原因で起こるので、その原因を調べることはとても重要です。
その中でも重要な検査が、心電図や心臓超音波検査です。
当院で使用している装置
  • 解析心電図計測装置
    狭心症や心筋梗塞の所見の有無、不整脈がないかなどを判定できます。
  • 超音波診断装置(心エコー)
    心臓の動きを診断する他に、大きさ、形態などを診ることができます。
  • X線撮影装置
    心臓と肺を撮影します。これにより心臓が拡大しているかどうか、肺のうっ血の有無、
    息切れの原因となりうる肺の疾患にかかっているかどうかを判定できます。
  • 24時間心電図計測装置
    一時的に心電図検査をしても心臓の異常を正確に見つけられないことがあるため、
    患者さまに携帯用の心電図計を身に着けていただき、日常生活に合わせて24時間連続の心電図を記録します。

虚血性心疾患
(狭心症、心筋梗塞)

虚血性心疾患とは、動脈硬化の進行で冠動脈が狭くなり、心臓への血液の巡りが悪くなって起こる状態をいいます。
一般的に知られている「狭心症」や「心筋梗塞」が含まれます。

原因
心臓の表面を流れる冠動脈という血管が、心筋に血液を運んでいます。

この冠動脈の血管の壁にコレステロールがたまって血管の内側が狭くなる動脈硬化の症状を起こすと、
その進行により、心筋の運動に必要な酸素と栄養を運ぶ血液の流れが不十分になります。

動脈硬化を引き起こす因子として、生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病)、肥満、喫煙、加齢、ストレスなどが
あげられます。
症状
狭心症
胸の痛みや締め付けるような圧迫感を伴う病気です。
安静にすることで症状が落ち着き、発作は治まります。
発作が一時的であるためそのままにしてしまう方が多いのですが、心筋梗塞の前触れの可能性もありますので
早期の対応が必要です。
心筋梗塞
虚血の程度が重く、冠動脈が完全に詰まった状態になることで心臓の筋肉の一部が壊死してしまう病気です。
胸に非常に強い痛み、圧迫を感じます。
緊急性が高く、すぐに救急治療を受ける必要があります。
検査
虚血性心疾患の検査には心臓カテーテル検査がおこなわれます。
カテーテルという細い管を足の付け根や肘、手首の動脈にいれ、心臓まで通し、冠動脈造影や心内圧測定を
おこないます。

特に冠動脈造影は重要な検査で、冠動脈の狭まりや閉じている部分を確認し、この結果をふまえて、
治療方針が決定されます。

虚血性心疾患の治療方針

内科的治療として薬物療法ならびにカテーテル治療(経皮的冠動脈形成術)があります。
外科的治療として冠動脈バイパス術が挙げられます。
それぞれの症例にあった治療方法をご紹介いたします。

心臓弁膜症

心臓弁膜症とは、心臓弁の機能が正常に働かなくことによって生じる疾患です。
心臓内の左心室と右心室には入口(流入路)と出口(流出路)に、それぞれ逆流を防止するための心臓弁があります。

この心臓弁が動脈硬化や弁の変性などによって開きづらくなり、血液が通過しづらくなる状態を「狭窄」、
また、閉まりづらくなることで血液が逆流する状態を「逆流(閉鎖不全)」といいます。

原因
弁膜症の原因は、リウマチ熱の後遺症、加齢に伴う変化、二尖弁など大動脈弁そのものの変化から生じるもの、
大動脈の病気によるものと様々です。
症状
心不全で現れる症状は、原因とそれによる心臓の機能低下の程度によって異なりますので様々です。
  • 倦怠感
  • 息切れ、呼吸困難
  • 胸の痛み
  • めまい・ふらつき
  • 足のむくみ
  • 失神

初期の段階では、日常生活で症状を自覚することはありませんが、階段を上ったり運動をしたりすると、
いつもより疲れやすいことに気がつきます。
やがて進行すると、軽労作であっても息切れ症状や呼吸苦が現れるようになります。

心臓弁膜症は、病状の進行に伴って心臓のポンプ機能が弱っていく疾患であり、重症化する心不全を
引き起こしますので、適切に管理することと適切な時期に治療をすることが重要です。

検査
心不全は様々な疾患が原因で起こるので、その原因を調べることはとても重要です。
その中でも重要な検査が、心電図や心臓超音波検査です。
当院で使用している装置
  • 超音波診断装置(心エコー)

心臓弁膜症の治療方針

内服治療やカテーテル治療(バルーン拡張術等)などの内科的治療や、弁置換術や弁形成術などの外科的治療が
挙げられます。

最近では、大動脈弁狭窄症のカテーテル治療として、
TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術:Transcatheter Aortic Valve Implantation)という
カテーテルにより人工弁を植え込む方法も行われています。

また、外科治療でも、僧帽弁疾患では症例により、
MICSMVP(低侵襲僧帽弁形成術:Minimally Invasive Cardiac Surgery Mitral Valvuloplasty)という
右胸の小さな切開口から手術を行う方法も行われるようになっています。

個々の症例により、適切な治療法を選択いたします。

発熱がある患者さまへのお願い

新型コロナウイルス感染症およびインフルエンザを他の患者さまに感染させないため、
発熱のある患者さまは直接当院へ来院なさらず、電話して症状をお伝えください。

当院は緊急医療機関でないことと感染予防の見地から、緊急対応は行っておりません。
当院では、新型コロナウイルス感染症および
インフルエンザ疑いの方への、診察・検査は行っておりません
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